右翼(保守)論壇の劣化~第二次安倍政権7年8カ月と信奉し続けた国士様論客たち(後編)~

 長らくお待たせしました。前編では2015年末の慰安婦日韓合意までの標榜保守の国士様論客の反応について触れましたが、書く気力もなく、年が明けてすっかり2月も後半になりました。

 国士様的右翼論客やその周辺のネット右翼な大衆について日本によるアジア地域への拡大政策をとり続けた時期の美化が一丁目一番地として存在してきました。したがって歴史観で相違し政治的な意味で日本の歴史観の批判運動を行ってる韓国や中国への罵詈雑言レベルのことまでインターネットでの発信等を行っています。

 しかしネット右翼大衆が信奉する国士様的右翼の評論家が行っている韓国や中国での歴史観批判はネット右翼と比較すればかろうじて論壇として機能してるとはいえ程度の低いものばかりです。慰安婦の強制連行は存在しない、南京大虐殺はなかったとか紋切り形で叫ぶものばかりであり、慰安婦の強制連行がなかったについてはアングレーム国際漫画祭で一蹴されてしまいました。確かに朝日新聞が報道してきた吉田証言での済州島において慰安婦狩りをしたというのは創作で誤報として記事を取り消す事態になりましたが、慰安婦になった彼女たちは自発的に就職したわけではなく、各々散り散りに配置されたりと広義の強制連行が行われた形といえます。

 クマラスワミ報告や河野談話について白紙撤回を求める国士様論客はさておき、安倍晋三氏による右翼国粋主義者へのリップサービスの一環で次世代の党に所属し、自民党への移籍後2017年の衆議院選挙で議員として再登板した杉田水脈氏がもし総理大臣になるのであればどう言い訳するのでしょうか。河野談話は元慰安婦の証言に基づいたものではあるが裏付けがなされてないという疑惑がありました。その原案は発表の2年前の1991年から92年までの最初の調査と、その後の追加調査に基づいたものであり吉田証言との関連は薄いとすべきでしょう。朝日新聞誤報に対する誠意が欠けてるものなのは事実ですがそれはさておき、事実の究明よりも日本側の「真摯な姿勢」を示すことが重要だとされ発表したとのことです。

 河野談話の白紙撤回というのは国際秩序への挑戦を意味してますが、その覚悟はあるのか、自分から見たらそれを感じません。

北朝鮮拉致問題にみる左翼論壇と右翼(顕示型保守)論壇の思想的限界

 今回のメインテーマである、拉致被害者問題を語る前に、能登半島地震で被災された方にお見舞い申し上げます。また亡くなった方のお悔やみ申し上げます。行方不明者に関しましてもお早めに発見されご無事であることをお祈りします。

 さてメインテーマに入ります。横田めぐみ氏の父、横田滋氏が亡くなってから早4年目になります。母の横田早紀江氏もご高齢で体調を崩されています。娘の横田めぐみ氏の期間待たずに鬼籍入りした横田滋氏は娘の姿に立ち会えずいかに無念かと思ってしまいます。2002年に北朝鮮によって拉致が認められてから20年をすでに経過しております。5人が帰国したもののいまだに全員帰国が果たされず家族会も鬼籍入りする等厳しい状況になっております。かつての左翼論壇では社民党をはじめとして北朝鮮との関係を持ち、1990年代の一時期に拉致は創作された事件等、拉致問題に関して知らぬ存ぜぬで拉致の疑い濃厚とされても陰謀論として相手にされなかった事実があります。それがゆえに2003年の衆議院選挙では土井たか子氏が選挙区で敗北し比例復活に甘んじる等、党勢を退潮しました。一方で右翼論壇でも自民党では北朝鮮への米支援、日朝国交正常化と唱える勢力もあり拉致事件の事実認定が、行われてから20数年後の21世紀になる等遅きに失してしまいました。拉致問題が国会で取り上げられたのはアベック失踪事件に関してであり1987年のことでした。質問されたのは民社党共産党に所属する議員であり自民党梶山静六氏がそれに対して「北朝鮮による関与が濃厚」と答弁しましたがそれ以降はあまり進展せず10年後の97年になって救う会の設立を待たなくてはなりませんでした。ここから5年後の北朝鮮による拉致行為の認定、5人の被害者帰国は果たしましたがここで止まってしまいます。拉致議連の加入者は増えましたが自民党内であっても所属してるのみの議員が多く、その中で真剣に仕事してる議員でも、拉致事件での進捗が進行しない理由についての説明がない事態です。果たして左翼論壇、右翼論壇ともに拉致被害者の全員帰国を目指して口だけでなく、どれだけ本気で行動してるんでしょうか、横田早紀江氏が存命なうちに横田めぐみ氏が帰国しお互い抱擁できる日は来るんでしょうか。本気で行動しないと家族会のメンバーすべてが鬼籍入りするでしょう。今までの間違いを正し本気で行動すべきです。ネット右翼国士様も安倍政権の口先での国粋言説を礼賛したり、かつて拉致事件について冷淡な対応をとった社民党議員、沈黙し北朝鮮を礼賛した進歩派文化人である大江健三郎氏の過去の行動を批判し精神安定に努めています。そういう言論を行う暇があるなら拉致問題でお尻ひっぱたくような真似ができてればよかったんですが、彼らの思想的には無理でしょう。拉致被害者家族会に信頼されてる政治家が国士様右翼の野次馬や評論家に好かれる議員で威勢のよさも言説だけの人というのが日本の不幸ですがマグマはたまります。

 一方の左翼論壇に関して衆議院選直前の生方幸男氏の横田めぐみ氏に対し生きていないのではないかという発言しましたので拉致問題の解決に期待は持てないでしょう。かつての左翼論壇について北朝鮮について凍土の共和国という本がベストセラーになり現実が明らかになった後も、北朝鮮を礼賛し続け、拉致問題も創作された事件と言ってきたから思想的な意味でも黒歴史と言えるでしょう。

 左右両翼ともに北朝鮮は地上の楽園と言ってきた事実と、ネット右翼国士様安倍氏の口先言説のみでの国粋の礼賛と事実とはいえ左翼政治家や文化人の責任だと批判し論点をずらしてきた事実をそれぞれ反省しないとまっとうな政治への道も遠いでしょう。

右翼(保守)論壇の劣化~第二次安倍政権7年8カ月と信奉し続けた国士様論客たち(前編)~

 右翼(保守)論壇の劣化の劣化を語るという観点では見過ごせないものになっていてずっと書きたかったテーマです。

 

 2012年12月、3年3カ月続いた民主党政権衆議院議員選挙で大敗し、自民党が政権に返り咲き、2007年に任期途中の1年で総理大臣を辞任した安倍晋三氏が2度目の総理大臣就任となり、第二次安倍政権が発足しました。

 第二次安倍政権成立以前の行われた、2012年の自民党総裁選では安倍晋三氏と石破茂氏が対立することになり、安倍晋三氏は尖閣諸島の公務員常駐の検討、竹島の日政府主催の記念式典を行う発言をして、それを受けた国士様的な右翼論客である渡部昇一氏、すぎやまこういち氏等の28人で、安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会が発足し、安倍晋三事務所に赴き出馬要請する等、ネット右翼国士様連中からは待望論が高くなりました。選挙の結果では議員票では石破氏には負けたものの決戦投票では、安倍晋三氏が勝利し総裁の座を得ました。

 しかし2012年の総選挙で自民党が政権奪還しいざ総理大臣になると竹島の日の政府主催の記念式典の見送り、尖閣諸島の公務員常駐の話は立ち消えになる等、日本固有の領土で係争地となってる島への姿勢で雲行きが怪しくなりました。同時期に米国大統領の座についていたバラク・オバマ氏のyes we can レベルで「日本を取り戻す」と言ってるのが今思えば白々しく感じます。前任の野田佳彦氏が総理大臣だった時代には、当時の石原慎太郎都知事による尖閣諸島買取に対抗してなので国士様の評判もよくはなかったが、国有化の行動はしました。ネット右翼国士様が政治思想的に一番近い反共タカ派として支持してきた安倍晋三氏、中川昭一氏等が所属している(していた)自民党清和政策研究会の内閣が言説だけでやらず、嫌っていた民主党政権である野田内閣の方が毅然としていたというのは皮肉ですね。それだけではなく国士様右翼が期待した8月15日の敗戦の日靖国神社参拝ですが、2013年でしかも12月に参拝したきりです。靖国神社参拝といえば国士様右翼が先の戦争を「大東亜戦争」と呼んで、スローガンと東条英機の証言を利用して「アジア解放と自存自衛の戦争」とする歴史観となっており、併設されてる遊就館には真珠湾攻撃での戦果としており、大日本帝国が起こした東アジア、東南アジアへの占領政策においても負の施策という見地が抜けており、日本軍がやったことを過剰美化しているといわれています。

 アメリ国務省ではそんな政治思想が反映されてる靖国神社安倍氏が参拝したのを受けて、失望したという発言をしました。それを受けて当時の首相補佐官である衛藤晟一氏が「失望したのは我々だ」と発言していました。しかし当時の菅義偉官房長官によってそんな見解とってないという趣旨の発言をして撤回しました。安倍首相の支持者の国士様右翼の歴史認識大東亜戦争時のアメリカはコミンテルンが動かされていたという田母神俊雄氏の論文を信奉したうえで、開戦当時のアメリカと現在のアメリカとは違う論で戦争時のことは水に流してくれた論による国粋主義の皮をかぶった無思慮対米追従主義を標榜しています。しかし中国、韓国はいつまでも日本との戦争、植民地時代のことを批判しているのに対して、アメリカは水を流してくれたという論理、それこそ日本の国士様右翼の思想的浅薄さを感じてしまいます。日米関係は親子関係的なものが望ましいとかその論文もそうですよね。再軍備する日本というのを米国がどう思っているのかというのをわかっていません。いまだに米国では原爆投下を戦争終結早めるために必要だったという世論が60%を占めてる現状です。そういう国際秩序ですから政治家がネット右翼国士様と同様に歴史上の細かい出来事、「南京大虐殺はでっち上げ」「慰安婦の強制連行はなかった」と言い出すのは墓穴を掘ることになってしまいます。政治建前としての河野談話村山談話ですがそれすらわからない連中です。

 続いて国士様右翼が期待した河野談話村山談話の見直しですが、河野談話については「軍当局の要請で慰安所の設営し、管理、設置と慰安婦の移送についての軍の間接あるいは直接の関与」と「軍の関与のもとに多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」というものですが、これに関しては国士様右翼に関しては、「慰安婦は軍から高い給料をもらっていたにすぎず謝罪する必要がない」とする言説がこだましており、撤回を求めてましたが、高給の代わりに年季奉公で借金が返し終わらないと廃業の自由がない等、今にしてみれば非人道的なので気を付けなければならないがそれをわからない人達です。それに加えて韓国でもベトナム戦争でライダイハンが生まれた等、みんなやってるんだからの相対化が行われています。しかし河野談話の見直しについては2014年6月の検証チームのによる結果が出る前に公に「慰安婦問題については筆舌に尽くしがたいつらい思いをされた方々を思い非常に心が痛む、その思い、そうした日本政府の立場については変わるものではありません」と発表されました。河野談話について見直しとか言っておきながら大山鳴動して鼠一匹も出ずな感じですね。なお村山談話について「侵略、反省」の見直しも戦後70年談話も渡部昇一氏や櫻井よしこ氏が評価してましたが、これも「痛切な反省、心からのお詫びの気持ち」という文言も入り、見直すどころか継承すると公言し、河野、村山談話の見直しも夢と終わってしまいました。ただ「私たちの子や孫、その先の世代の子供たちに謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」という談話が盛り込まれたというのが、渡部昇一氏、櫻井よしこ氏等の国士様右翼文化人(笑)の評価するところなんでしょうけど。

 その年の年末には国士様右翼を追い詰めるかのように、従軍慰安婦への謝罪、賠償を盛り込んだ日韓合意についても、国士様右翼の間で評価が分かれこれでもう終わりだからという解釈する人もいれば、中西輝政氏みたいに失望したといい変節する国士様右翼も出ました。もっともこの後の文政権後に形骸化しますがまた別のお話になります。強い不満はありましたが、国士様右翼として言説を行う総理大臣ということで失望や不満はすぐに鎮静化されました。

 このように安倍晋三氏は右翼国士様の夢を叶てないくせに、それに寄生し歴史美化の主張をしている人々を批判したかったですが、ここまで書いてやる気がなくなったので次回に回りたいと思います。

右翼(保守)論壇の劣化~台湾誇大思想~

 日本の右翼(保守)論壇によくある政治主張として定番のものである。しかしそれこそ現代の右翼(保守)論壇の思想的弱点を包括してるといえる。なぜなら台湾を利用して愛国誇示や中国脅威論を語ることが多いからだ。俺個人として台湾は行きたい国のひとつとして数えられており、九州並みの広さで、他民族の国家で異なる伝統、言語もある。行ってみたい観光地もたくさんある。鉄道が好きなので阿里山森林鉄道とかは一度乗ってみたいし、九分にはいってみたいものである。

 しかし右翼論壇のいう台湾誇大思想に関してはかなり否定的だ。彼らにとって台湾は親日国家で反中国家という認識で語っており、台湾からの視点が欠如しているように感じる。いうなれば「俺のことを感謝し大好きでいてくれるお前のことが好き」というナルシスト思考のようなものである。

 その元となったのが元マンガ右翼扇動士である小林よしのりが執筆した「台湾論」であるというのは間違いないだろう。この台湾論では大日本帝国による台湾統治で八田與一による灌漑水路の整備、磯栄吉の米の品種改良で農業に貢献というインフラ整備を持ち出しての日本の植民地支配の過剰美化を行っている。

 それだけでなく李登輝氏を偉い人、陳水扁氏は無実の罪で投獄された人、馬英九は大罪人という国民党政府による台湾統治を批判した。

 これが日本の「国士様」というインターネットや書籍での言説扇動でみられる親日国家台湾という価値観のベースになっている。沖縄県において米軍基地の縮小運動、普天間飛行場辺野古移設の反対運動を行う沖縄県民と、日本本土の左翼活動家と利害が一致したように、日本の右翼言説扇動士(国士様)と戦前の日本統治下で生まれ、戦後日本に留学した金美齢氏や黄文雄氏等の台湾独立運動を推進する「台湾青年社」と利害が一致し日本の右翼論壇と連携している。一例が台湾大地震の時の曽野綾子氏が会長務めていた日本財団によって3億円を寄付し、李登輝氏が曽野綾子氏に日本で何か起これば真っ先に駆け付けるのは台湾の救助隊であると約束したことである。結果としてはその後の東日本大震災では、諸事情で中国、韓国の救助隊に先を越されたものの200億円の義援金を供出し日本人を驚かせた。この事実が自民党の青年局の公式サイトによる戦前の植民地時代に日本が果たした役割への尊敬とみていますが、やはり台湾人の視点が抜け落ちている感も否めません。

 もちろん台湾総督府時代の後藤新平による生物学の原則に則り、阿片吸引の常習者を漸減させるといった郷に入ればの施策で経済発展の契機を作るという功の実績があったのは事実だ。

 その一方で彼らは霧社事件といった台湾原住民への強制的な労働供出の強要等を背景に台湾原住民が事件を起こしたこと、台湾人慰安婦について触れることがない。台湾について反中国家、中国共産党に対する砦としか考えてないからそうなるのだろう。もし独立が正式になされ、慰安婦に対する賠償や尖閣諸島の領有をことさら強く主張するようになれば、反共というただ一転で中華民国台湾とともに同士としてみなしてた韓国との関係が、2002年のFIFAワールドカップをきっかけにそれまでの認識が嘘のように嫌韓に徹底したネット右翼言説士が生まれ根拠の少ない差別発言を繰り返してるように台湾に対してもそうなるのであろうか気になるところです。

 なお台湾については1945年に太平洋戦争の日本側の敗戦を受けてカイロ宣言に基づいて失地回復大義名分で日本に代わって台湾の行政を蒋介石国民政府主席率いる中華民国が引き継ぎました。最初は中華民国の官僚や軍人といった役人を歓迎したが、汚職が凄まじく、犯罪においても処罰されても犯人の籍を知らせるのも禁止されていました。さらには台湾の資材が中国大陸の上海の国際市場で競売にかけられる始末。これが狗(日本)去りて豚(中華民国)来たると呼んで揶揄されるまでになりました。ここが中華民国戒厳令の統治下との比較で日本統治時代がマシという評価をする人が多い理由になり、ネット右翼国士様がそこにつけ込んでる所です。

 更には日本降伏後の1946年から中華民国の大陸本土で行われていた国共内戦ではシベリア抑留された日本軍の最新式兵器の鹵獲やソ連からの援助で最終的に優位になった共産党軍に国民党軍が太刀打ちできず1950年の海南島陥落で中国大陸の本土拠点を喪失し台湾地区の防衛に専念することになりました。その結果中国は中華民国中華人民共和国による分断国家として現在に至ります。ゆえに中国共産党においても中国大陸に存在する政府は世界でただ一つと「一つの中国」を提唱してることで中国統一を巡って対立関係が続き1954年に第一次、1958年に第二次の台湾海峡危機が起こっています。

 ここが中国による台湾侵攻を日本のネット右翼国士様が煽る所になっています。特に1958年に関しては金門島への砲戦で国府軍に戦死者が出る等、領有が危ぶまれた時期ですが米軍の武器供与により厦門の砲兵陣地を攻撃しダメージを与えたことにより、金門島への砲撃が中止されました。最終的に形骸的な隔日攻撃に留まるようになり、1979年の米中国交樹立で砲撃が停止されました。こうして金門・馬祖両島の領有を維持し現在に至っています。また1996年にも李登輝政権下で行われた台湾総統選挙においての脅迫の意図でのミサイル実験が行われています。

 このように幾度となく両国において対立が続いてるのは事実で、現在においても中国は西太平洋へ経済進出し第一列島線第二列島線を勢力下に置こうとしており、第一列島線上にある台湾はまさしく最重要地域といえるでしょう。日本が石油を輸入する際に台湾海峡マラッカ海峡を通らざるを得ないゆえに日本から見ても安全保障上で大問題でしょう。しかし台湾関連すべての情報を台湾有事に結び付けるというのはかなり失礼極まるといえます。しかも自称、他称の保守論壇という右翼言説活動家たちが自閉的、同語反復的に言説を繰り返し、同じ右翼論壇でも異説を唱えるとかつての「隠れキリシタン」ならぬ「隠れ左翼だろう?」と批判の大合唱が起こる。そういう意味で日本の右翼論壇の言説の貧しさと知的退廃の現実を表しているといえます。特に櫻井よしこ氏がひどくて台湾の議会選挙や総統選挙で国民党候補が勝つたびに中国の情報工作と煽るので論外ですね。櫻井よしこ氏といえば去年の秋ごろにフジテレビ系列の「日曜報道 THE PRIME」にてウクライナ戦線について議論していた際にいまだ海外派遣部隊は組織として発砲できないとか、第二次大戦終了後に日本軍兵士が台湾やインドに参戦したというひどい嘘をついていました。このような評論家が「保守主義」を標榜しているのが保守の劣化を象徴しています。

 台湾は現在、民主化し大陸統治機構から台湾統治機構に移行しております。その中で近代から現在に至るまで、清朝、日本の台湾総督府中華民国台湾省中華民国=台湾の変遷がありました。自称保守の右翼言説扇動家や国士様はもういい加減に台湾誇大思想はやめて、台湾の歴史と現実を改めて直視すべきである。それを踏まえず親日台湾やら台湾有事を煽ることは台湾にも失礼にあたる行為でしょう。

保守論壇亡国論を読んで現在の右翼界隈に思うこと

 現在山崎行太郎氏の「保守論壇亡国論」を読んでます。私のブログ開設記念というわけでこの保守論壇亡国論を途中まで読んだうえで、昨今の保守思想家、保守政治家についていろいろ思ったことを書き連ねます。

 2020年から2023年3月まではcovid19の感染拡大で、緊急事態宣言や蔓延防止等の対策でいろいろ息苦しい思いはしたと思います。その中で約8年間総理の座についた安倍晋三氏の辞任で菅義偉氏の就任、2021年には東京五輪パラリンピックの開催、菅義偉氏から現首相岸田文雄氏の就任、衆議院議員総選挙、2022年に入ってからはロシアのウクライナ侵攻、参議院議員選挙直前の安倍元首相銃撃事件、それに伴う安倍元首相の国葬等いろいろな出来事や事件が起こりました。そのなかでいままで巷で「ネット右翼」と呼ばれ自分もその中にいたのだが、それらの出来事が契機で「ネット右翼的なもの」のうさん臭さに気づき自分も今となっては、それら「ネット右翼的なもの」に批判的な見解を持つに至りました。

 なぜ保守思想家、ネット右翼的なものに対して批判を行うに至ったのか、理由は雑誌やインターネットのポータルサイトで記事を書いてる「保守論壇」の言動である。つまり私が批判したいのは「保守論壇」として「保守主義」を標榜する者、ネット右翼的なものに「知的退廃」や品性が疑われるような表現をインターネットや雑誌で展開してることです。

 例をあげれば百田尚樹氏や、有本香氏をはじめ産経新聞や月刊正論、月刊will、HANADAで活動する著者たちのことです。これらの界隈は自分が内輪で国家主義的な勇ましい言説を行っています。こうした「ネット右翼的なもの」を「国粋扇動言説士」とみなし、それを略し「国士様」と私は呼んでいます。この国士様が行っている言説について元となったのが小林よしのり氏とよくいわれています。確かに村山談話発表後の20世紀末期に大日本帝国の戦争時の施策を過剰美化した「戦争論」をマンガという形で刊行し、当時の若年層に親しみやすいマンガという形で「国士様右翼」の主張を行う大衆を増やした中で外せない存在でしょう。しかしこれは小林よしのり氏のオリジナルの思想ではなく中村粲氏、渡部昇一氏等の当時の昭和史においての右翼国粋主義という自閉していたサロンにいた評論家の著書を参考文献にしてそれをマンガ化したものといえるでしょう。現在は女系天皇容認や反原発に転向し、2015年においても安保法案反対の論陣で「反米右翼(笑)」を自称し、それらネット右翼を批判する活動していますが、「戦争論」「台湾論」の刊行で過度の日本美化を行う人を増やした張本人というのは忘れてはなりません。小林よしのり氏は戦時中は軍国主義の権化、原爆が落とされ戦争が終わると平和の戦士に変節した「はだしのゲン」における「町内会長」に等しい存在と言えるでしょう。

 右翼国粋という論壇は自閉している温室みたいなものと評していますが、新しい教科書を作る会でよく見る日本の負の歴史を無かったことにする、歴史美化主義者による南京事件はなかったの主張が南京大虐殺はなかった、慰安婦は売春婦から、慰安婦の強制連行はなかったという主張、この二つはよく見ますが、2014年のアングレーム国際漫画祭で馬脚を現したように、日本のネオナチみたいな人が漫画祭を邪魔したという報道がされ、その手の理論武装が、すぐに崩れるものになりました。韓国や中国の政治的な問題として騒いでいるのを、国士様右翼がそれに騒ぎ低次元の批判を行うのではだめでしょう。日本人としてできるのは慰安婦南京事件に対し負の歴史であっても、今の日本で学べるものであり私たちの財産であると向き合うことであり、細かい事実も検証することでしょう。イデオロギーが先行していては自分たちの主張が通らなくなるのです。